(今のところは)トルコ生活

トルコ在住プログラマーです。頭脳はよく,心も傷つくことがありません。

メスト・エジルの代表引退とその理由から垣間見える事情についての雑感

ワールドカップ盛り上がりましたね。巷ではフランスのサッカーはつまらなかった云々と言われてるようですが私は強いフィジカルと高い技術に裏打ちされたサッカーで非常に楽しめました。

その対極で残念だったのがドイツ代表でしたね。グループリーグ敗退で韓国にも負けて最下位でした。

 

エジルが主にドイツサッカー協会グリンデル会長とドイツメディアの人種差別を理由に代表引退を宣言しましたがなかなか興味深い事を発表しましたので考察を加えたいと思います。

彼の3部分に渡る英語での主張は以下からです。

I/III

II/III

 

III/III

 


なお私はドイツ語は読めませんのでドイツメディアが彼をどう書いていたかはさっぱりわかりません。彼の英語での発表とトルコ在住経験を元にこの考察を書いています

結論から言うと彼が糾弾された写真に政治的意図はなかったとの主張ですがそれは怪しいと思います。
少なくともエジルはエルドアンに好意を抱いていると考えられます
個人として好意を感じるにはいいのですがやはり彼の公人性を考えると好意を公にすべきではなかったとおもいます。
もう一つは彼はドイツ人でありながら精神的にはかなりトルコ人で中東的な考え方を持っておりもしかしたら西欧的価値観を理解してない可能性もあります。ドイツ的価値観との衝突は不自然な帰結ではないと思われます。

このポストでは私はトルコ的価値観と中東的価値観を、ドイツ的価値観と西欧的価値観を同意義で使っております。


彼のトルコ的価値観をよく表すのは彼が主張したpartnerはどうあるべきかというくだりです。

I've always thought that a 'partnership' infers support, both in the good times and also during tougher situations.

(Part II / III)

彼はpartnerは楽しい時も苦しい時もお互いを支え合うべきであると書いていますが英語におけるパートナーはもっと意味が広く配偶者から一緒に卓球やる仲までぶっちゃけ全部パートナーですエジルが切られたと言っているパートナーシップは子供達にサッカー教えるボランティアともう一つはワールドカップ用の宣伝材料でありニュアンスとしてはビジネスパートナーに近いものと思われます。しかも一つ目は切られた理由が直接エジルのやったことではなく子供たちを保守派から守るためなのでそんな変な理由でしょうか。2つ目はまあ色々賛否がある行動を宣伝材料に使うかどうかなのでビジネス上の判断でしょう。
おそらくエジルの頭の中ではpartnerはトルコ語でkankaに変換されていたのではないでしょうか。直訳すると血の兄弟です。トルコに限らず中東文化圏ではkankaが例えば喧嘩していたら理由は聞かずにまず一緒に戦うのです。これが西欧や日本でしたらいそいで喧嘩から引き離すか仲裁しますので大きな文化的相違です。

一般的にドイツでのトルコ人は彼ら自身の文化圏を作ってそれを守ろうとするのでエジルの属してるコミュニティと代表としてのドイツ的価値観には齟齬があったのであろうと考えられます。エジルのinstagramを見ると彼も彼の婚約者もトルコ人であり母親たちもスカーフを被っているのでトルコ人性を大事にしている家族であると思われます。エジルはまた以前instagramにトルコ語で母親は我々のことを我々以上に知っていると書いて母親への敬愛を示しています。それ自体は当然いいのですがトルコ的家族ではかなり個人と家族の境界が曖昧でありこれも確立した個人によって構成される西欧的プロテスタント的価値観とは相入れません。以上のことからエジルとその周りでは中東的な価値観も大事にしていると思われます。

もう一つの中東的な価値観の傍証は学校に切られたので悲しいという事を書いています。

In all honesty this really hurt.

(Part II / III)

日本人的なリアクションであればこれは学校に迷惑をかけたくないとかアングロサクソン的であれば私は悪くないと書くところですが悲しいという情緒的なリアクションは非常に中東的です。

次にエジルがエルドアンに対してどう思っていたかでありますがこれは推測するしかありません。直接的には彼のinstagramにもfacebookにもエルドアンと公正発展党を支持する言動はありません。しかしアタチュルクの肖像や言葉をポストしてもいません。なぜこれが大事かというとアタチュルク好きであればエルドアン支持はほぼないからです。(トルコではアタチュルクの流れをくむ共和党は公正発展党の野党でありエルドアンはアタチュルクが国是とした政教分離を斬新的に緩めてきました)
エジルは度々テロに対して哀悼を表明しておりエルドアンは6月の大統領選挙にあたりトルコではいま内戦状態であり強いリーダーが必要だと訴えていましたのでエジルがエルドアン支持者であった可能性は高いと思われます。

(反対派はエルドアンが内戦の源であると見ます。票のためにクルド人の家を破壊したりしてますしシリアに侵入するのを決めたのも彼です。この辺にはエルドアン反対派にも反クルド派がいたりトルコ国内にはたくさん他のマイノリティもいますのでなかなか複雑な話になります。)

あともう一つの傍証はエジルが結構なイスラム教徒っぽいことです。(敬虔なとは言えないのはエジルが刺青を入れているからです。イスラム教では親からもらった体に傷をつけるのはハラムです。)毎年イードの時にはトルコ語でイードを祝ってます。トルコ国内で大多数を占めるイスラム教徒の少なからず人がイスラム国家を推し進めるエルドアンを支持しています。

そして何よりドイツ国内のトルコ人はエルドアン支持が多いのですドイツ国内にはトルコ人有権者は300万人以上いてそのほとんど(8割ぐらい?)はエルドアン支持です。
対してアメリカ国内のトルコ人有権者(20万人ぐらいか?)は8割ぐらいエルドアン嫌いです。(含私の妻)
ですから以上のことを鑑みてエジルがエルドアン支持してる可能性はかなり高いと思います。

エジルは6月にエルドアンが国内の景気悪化を見越して早めた選挙があるのを知っていたはずです。5月に彼と写真を撮れば7年もの付き合いがあるのであるから利用される可能性があるのはわかっていたでしょう。もっともよっぽどアホなら思い浮かばなかったかもですがここまで成功してトルコ語英語ドイツ語に堪能な選手がアホということはあまりなさそうだと思います。

おそらくエルドアンを助ける意図はあったのではないでしょうか。それが思いもよらず大事件になってしまったというのが可能性が高い真相だと思います。なぜ会ったかについては以下のように言っています。

Although the German media has portrayed something different, the truth is that not meeting with the President would have been disrespecting the roots of my ancestors, who I know would be proud of where I am today.  For me, it didn't matter who was the President, it mattered that it was the President.

(Part I / III)

これは西欧的価値観から言ったら破綻している論理です。第一に故郷と政治的機構である政府はあまり関係がありません。第二に職務と党は厳密には独立しています。第三に西欧的価値観ではあまり先祖に重きをおきません。

トルコという民族および国家は現共和国の前に既に存在していました。大統領と会うことがなぜ先祖に敬意を払うことになるのでしょう?実はトルコの人々はすごく愛国的なのです。これは愛国心が暴走して第2次世界大戦に突入したドイツや日本とは大いに異なります。2016年にクーデター未遂があった時にトルコ人は自分たちの国家がこんなことになって涙した人たちが多かったのです。

翻ってアメリカ、日本、ドイツなどでは国家は単なるサービス提供の主体であり政府と国家の非同一性は国民の大多数が知っています。政府に懐疑的であれというのは啓蒙主義の伝統から普遍になっているのです。

エジルの主張を信じるのであれば彼の国家に対する考え方はトルコ的です。しかし私は大統領という職務に敬意を払ったというのは言い訳だと思ってます。実際同じ代表のジャンは招待を断っているのですから。エルドアン以前の(前憲法下の)アブドゥッラーギュルとは会ったのでしょうか。

先祖に関してですが西欧的価値観で大事なのは現在の個人であり先祖を敬うのはまあ言ってみれば神を信じるとか星占いを信じる程度の話です。しかしトルコでは(古代ローマのように?)先祖を大事にするのを尊びます。初対面の人と会った時まず聞くのが家族がどこから来たかです。トルコ人は色々混ざっていて多民族国家のオスマン朝の時に動き回っていたので聞いても何があるのかわかりませんがまあ日本での高度成長期の前のようにお国はどこですかと必ず聞くのです。

 

エジルには悪気はなかったのかもしれませんが国家の代表として戦う以上国家の価値観の体現に疑問符がつけられるかもしれない行動は避けるべきだったでしょう。(これは日本で話題になる国歌を歌うとかのレベルの話ではないです。いわば法の支配を信じないレベルです。エルドアンは過去2年間憲法を停止していました。大統領選挙後に戒厳令をようやく解除しました。) 西欧では個人の自由は神聖で不可侵の権利です。しかしトルコでは法的にはそうですが国民意識的にはそこまで重要視されてないのです。でなければ言論統制をここまでやっているエルドアンがこう何回も再選されないでしょう。

 

エジルが言ったようにドイツ国内でおそらく人種差別も多々あったと思います。しかしそれだけに彼への攻撃を全て彼の主張のように負わせることはできないのではないでしょうか。私はエジル代表引退問題は人種差別とエジル、ドイツメディア双方の価値観への無理解の方が大きいと思います。そして彼は国の代表であるのでやはり根本的にはドイツが広めようとしてる個人の自由と尊重という価値観に反すると取られる行動は取るべきではなかったと思います。

女性はなぜメールや電話を無視するのか?

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この記事は超恋愛奥義の記事に対する反論でもあり補足でもあります。

以下のリンクから元記事を読んでからお読み下さい。

renaiougi.com

 

上の記事は特に探していたわけではなくたまたまウェブサーフィン中に見つけたのですが肝心のなぜが書いてないのです。女性がなぜ無視を多用するかわからない男性の方は多いと思いますので(私も以前そうでした)そういう方は上記事を読んでも疑問は解決しないでしょう。

私が今から解説します。

 

ぶっちゃけ結論から言えば過去において(国によっては現在も)興味のない男を無視せずにはっきり断った女性は男に殺されたからです。だから現代の女性は全て興味のない男を無視したか煙に巻いた女性の子孫なのです。ですから女性は無視を多用するのです。

 

男と女は体格、膂力においておよそ10%ほどの差があります。その上男には比較的高い濃度のテステスロンなどのホルモンがあるます。要するに暴力では女はまず男に勝てません。

 

ここで少し話しは飛びますがあなたは発展途上国に旅行し現地の人たちと交友したことがあるでしょうか?この記事は日本語なので私が訴えられることはないと思いますが大体途上国の男たちは(女も?)先進国より非論理的で感情的です。激情する人も多いでしょう。そういうところで女たちはどうすれば安全になるか?まあ外を出歩かないというのも選択肢の一つですが要するに男と接するときは愛想よくして極力相手を怒らせないようにビクビク暮らすこととなります。ですからはっきり男を拒絶するのなどもってのほかです。激情されて殺されたらどうします?

 

先進国より数十年平均的国民精神的、論理的には遅れてる途上国自体でこれなのでこれが法の外にいた市民がいっぱいの中世や古代、ましては法律もない先史時代だったら男たちはどうしてたでしょう?もっとホイホイ自分を拒絶してた女たちを殺していたはずです。なんせいっぱい殺せば女たちは男を恐れてあまり拒絶しないでしょうからね。これこそまさに性別間の戦争と言えるでしょう。

 

そういった環境において殺されなかった女たちはどういう行動をとったのでしょう?一つは拒絶しないことです。しかし一緒に子孫を作る男を積極的に選ばないのいうのは自分の大切な生殖資源をいけてない男に使う羽目になるかもしれずそうすると子供達の遺伝的競争力は落ちてしまいます。

 

もう一つの行動ははっきり拒絶しないで無視したり煙に巻いたりすることです。要するに怒らせないでなんとかまぐわうのを避けたのです。これは高度な社会的洞察力と行動力を要します。うまくいけば質の低い男と一緒になるのを避け、自身の生殖能力を良質な男と子孫を作るのに使えます。

 

ここで遺伝的な話をしますと、遺伝的にわずか5%のアドバンテージを持った性質があるとその性質を持った個体数は30世代後には持ってない個体数のの4倍になります。おそらく殺されないというのは非常に大きなアドバンテージであり歴史上においてはっきりものを言う女性は執拗に殺されてきたのでしょう。

 

もうお分かりでしょう。我々すべては2番目の行動をとった女たちの子孫なのです。だから現代の女たちが男を無視しはっきり拒絶しないのは彼女たちの全ての先祖がそうやっていたからです。

 

と言うわけで次に女性から無視された時には彼女は本能的に自身を守っているのであると暖かい目で見て無用な連絡や質問をしないであげてください。

トルコでの滞在許可の取り方(2016年12月)

 

 今回は巷で大変だ大変だと書かれているトルコでの滞在許可の取得について主に私自身の経験から書きたいと思います。

日本人でトルコに趣味もしくは異性関係で滞在したいと思われてる方は少ないと思いますのでこの記事がどれくらい役立つかはわからないのですが少数のそういう方達のための助けになれば幸いです。

結論から言いますと時間はかかりますが別に難しいことはありませんでした。ただいくつか大事なポイントがありますので最後まで読んでください。

 

滞在許可(イカメット)とは何か?

日本のパスポートがあればトルコ国内に連続した180日のうち90日合法的に滞在できるビザを到着時にもらえます。それ以上滞在したいのであればパスポートが二つなければ基本的には滞在許可(トルコ語でイカメットikamet)をとることが必要となります。

  1. 初めてイカメットを取る時は短期滞在許可(kısa dönem)をとることになります。それは最大1年間有効です。
  2. イカメットなしでビザが切れた後(90日以上トルコで滞在した)出国するときに国境(空港、港など)でオーバーステイした期間の長さによって罰金を最大1000リラ(伝聞です)もしくは最大5年トルコに戻ってこれない罰則があります。それを防ぐために90日以上トルコにいるためにはイカメットが必要です。

 

イカメットはどうすれば取得できるか

オンラインで面接の予約を取って面接日までに書類を整えて面接にいき、不備がなければイカメットが最寄の郵便局に送られてきます。

 

健康保険購入

面接の申請をする際に健康保険の有効期間を入力する画面があります。イカメット取得の条件に健康保険があります。保険には幾つか選択肢があります。

  • トルコ国内の事業所で働いてるのであればSVGという国民保険みたいなものに加入されているはずです
  • 個人で保険を買うこともできます。
  1. まず保険購入のためにトルコのマイナンバーみたいな納税者番号が必要です。これを取るにはパスポートを持参して最寄の税務局(Vergi Dairesi)に行ってください。ついたらその辺でたむろしてる従業員(トルコには多い)にBen yeni taşındığı yabancıyım, yeni vergi numarası nerede alabilir miyimみたいに適当に聞いてください。私はウスキュダルの家のそばのPazarbaşıの役所に行きました。なんとそこで一人英語喋れる職員がいたので適当に話して(トルコ人は適当に話すのが好きです。だいたいトルコに対する愛憎に満ちた意見を聞きもしないのに聞かせてくれます)番号をもらってください。
  2. Anadolu Sigorta, Allianz, Groupamaなどの民間保険会社で1年間有効な保険を買えます。それがアメリカから比べると恐ろしく安くてびっくりします。アメリカでは一番安いプランでも1月$300以上なのですがトルコだと1年間で300−500リラぐらいです。約三十六分の1という恐ろしい価格。しかも保険なしで病院行っても安いです。でもイカメットのために買いましょう。私は電話してからオフィスに行って"ikamet için alabileceğim sağlık sigortası var mı"と聞いてから行きました。461TLで現金のみでした。トルコ人はだいたい英語できないのでトルコ語ができないのであれば誰か友人に一緒に来てもらいましょう。購入の時に納税者番号が必要となります。

 

面接申請

晴れて保険が買えたら契約書に保険会社と番号がありますので大事に保管してください。オンラインで面接の申請をします。https://e-ikamet.goc.gov.tr/に行って面接の申請をしてください。このサイトはひどいのですがいくつかポイントがあります。

  1. 最重要なポイントは合法的に滞在している間に面接を申請してください。不法滞在中だとサイトを使えないらしいです。(個人的にはためしてません)
  2. いくつかイカメットの種類があります。滞在の理由に従って選んでください。特に理由がなければStaying for touristic reasonsで良いでしょう。
  3. 電話番号及び住所は変わっても大丈夫です。以下に書きますが面接申請日から面接日までだいぶ開きますので電話番号や住所が変わる場合があります。これらは面接で最終的に修正できますので大丈夫。
  4. お住いのある地域で面接希望者が多いと他のオフィスに回されることがあります。私はウスキュダルで申請したのですが本来はKadiköy管轄のところGayrettepeのオフィスに回されました。これも大丈夫です。
  5. 私は2016年6月に面接申請したのですが面接日は12月でした。最近シリア紛争のせいで申請者が多いので6ヶ月ほど待たされるのは普通のようです。当然合法的な滞在期間を超過してしまいますよね?面接申請した時点で面接日までには合法的に滞在できるので大丈夫です。念のため出歩くときはパスポートと申請書のコピーを持ち歩けばいいです。(私は警官に止められることはなかったです。)ラッキーな人たちはキャンセルがあった時に上手く面接予定入れるのでもっと早く面接できることもあるようです。
  6. 申請者の数に絡んでですがどうも面接の日時も場所も一回選んだら変更できない模様です。さっさと選んで申請書をプリントしちゃいましょう。
  7. 申請書に疑問があれば質問できるホットラインがありますのでそこに電話しましょう。英語で大丈夫でした。+90 312 157 11 22  政府のサイトはhttp://www.goc.gov.tr/icerik6/General%20Information_917_1060_8860_icerik

 

書類取得

面接日に必要な書類は

  1. 申請書
  2. 健康保険
  3. 滞在中十分な原資もしくは収入の証明
  4. 住所の証明
  5. パスポート用写真2つ
  6. 入国に要したビザのプリントアウト(日本のパスポートであれば必要ないかと思われます。私はアメリカのパスポートで入国したのでビザが必要でした。空港で$20で買えますが。)
  7. パスポート
  8. 無罪証明(必要ある場合もあると書かれていますがわからないです)

です。申請書と健康保険は上で書きましたのでここでは3以降について書きます。

必ずプリントアウトした 書類を持参してください。画像やファイルでスマホで持ってるとプリントアウトするように言われます。

滞在中十分な原資があるもしくは収入の証明

これは1年間の滞在許可申請だと6千ドルあればいい模様です。問題はイカメットがなければトルコで銀行口座を開けないとうこと。これには幾つかやり方があるようです。

  1. 海外の銀行口座の残高証明を公証人役場に持って行き訳して貰い公正証書にしてもらう 
  • おそらく近所にröterlikとかいてある公証人役場がいくつもあるはずですのでそのうちの一つに銀行口座残高のプリントアウトを持って行きましょう。
  • 例のごとく英語ができる人はいないのでトルコ語必須
  • 自分で訳してはいけません。公証人が契約してる人にトルコ語訳を頼みます。これが高くて英語ートルコ語で1ページ80リラぐらいします。日本語だともっと高いでしょう。二日でできましたけどね。
  • 公証人の証明は50リラぐらいです。私は全部で400リラぐらいかかりました。不法滞在の罰金を払ったほうが安いのでは。

    2. 収入の証明

  • 私はトルコにいる間収入もあったのですがちょっと証明はどうやるのかわかりません。おそらく公証人役場にいって証書にしてもらうのかと思います。
  • 1ヶ月に500ドルほど稼いでいればいいようです。ブログのアフィリエイトやアプリなどで稼いでる方なら到達可能と思われます。
  • 私はエンジニアとしてトルコのスタートアップにいた期間もあったのですが(これについては後ほど書きます)その時のサラリーが7000リラでしたのでまあ2000ドルぐらいですので必要額はクリアーできると思います。しかし労働許可はないので書類やどうやったのでしょうか。トルコはその辺ゆるゆるです。

   3. 第3の道もあります。私は結局これにしましたが住所証明のセクションに書きます。

 

住所の証明

これも幾つか証明の仕方があります。

   1. 大家からKira sözlemesiを貰い公証人役場に持って行く。

一番オーソドックスな方法です。Kira sözlemesiは賃貸契約です。住所と家賃が書いてあります。これを持って公証人役場に持って行き印を貰いましょう。50リラぐらい。

   2. 彼女などと同居している場合

Taahhütを貰いましょう。これは保証人のようなものでこの場合上の原資、収入の証明も必要ないです。トルコ市民の後見人が要するに住所及びコストの全てを負担するということを公正証書にして(これも50リラぐらい)これがあれば楽チンです。私はこのやり方にしました。銀行口座残高訳す必要がなかった...

   3. 持ち家の場合

ちょっとわからないです。このやり方でやった人はコメント欄にお書きください。

 

パスポート用写真2つ

これは普通に町の写真屋行ってpasaport fotosu lütfenとか言えばいいです。10−15リラぐらい。oturma izini mi pasaport için miと聞かれればどっちでもいいので大丈夫です。

 

入国に用いたビザのプリントアウト

特に説明はないです。日本のパスポートで入国しているのであれば必要ないはず。

 

パスポート

忘れてはいけません。確か申請してる期間は有効である必要があるはずです。

 

無罪証明

私は必要ありませんでした。警察署でもらえるはずですが詳しいことはわからないです。

 

それでは面接に進みましょう。

 

面接

それではe-ikametに書いてあった面接日に場所に行きましょう。面接自体は短いですがかなり待たされてまた途中で申請費用を払ったりなので1日仕事になります。

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Gayrettepeの移民局

ビルに着いたら守衛さんに申請書を見せましょう。ここで申請日を確認されたら面接する階に行けと言われます。行ったらさらに守衛さんがいるので申請書類を見せましょう。そこで他にも住所証明などの様々な書類をチェックされます。ここで大事なことは2つ。

  1. 矛盾する書類を見せない。例えばtaahhütと住所証明はどちらか1つだけ必要なのですがそこに違う住所がある(申請から6ヶ月も空いたの普通にあることです)などの場合は1つだけ見せておけばいいです。面接本番でも1つだけ見せましょう。
  2. 付添い人は入れない。あなたがトルコ語できなくても一緒に来た友達は入れません。私の面接官の英語はまあまあうまかったのですがほぼ全部トルコ語で通したのでまあ英語もトルコ語もできないと辛いと思います。私の申請日にはスペイン語しかできない女の子が来てたのですがどうなったのでしょうか。

時間が来たら面接の部屋に呼ばれます。と思うでしょうが待たされます。おそらく時間はブロックごとになってるのでなるべく早く行って早く面接してもらったほうがいいでしょう。

 

面接自体ですが特に何事もなく書類をチェックするだけでした。女性の面接官でしたのでトルコの女性にもれず彼女のために移住したと見ると素晴らしいことだと行って同情してくれました。ここで電話番号などは必ずチェックしてください。カードが郵便局に行ったなどの連絡はテキストメッセージできます。

書類をチェックした後は申請費用を払うように言われます。この時面接場では払えなくて最寄の税務局で現金で支払った後レシートをもらい面接官に渡します。

ちなみにこの時書類漏れなどがあれば1ヶ月以内にそれを持って来ればいいようです。私は入国時に使ったビザをプリントアウトしろと言われたので申請費用を払う時にコピー屋に行ってプリントしてもらいました。(2リラ)

 

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コピー屋のコピー機の上に陣取る猫

 

申請費用は322リラでした。

 領収書をもらったらまた移民局に行って面接官にそれを渡ます。そして晴れて申請終了となります。2016年12月時点ではどうも忙しくて1日40件以上面接して疲れると言ってました。トルコに来る移民はカザフスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタンなどの広義のチュルク系国家からが多く後はシリア、エジプト、レバノンなどだそうです。西欧はあまりないと言ってました。中国韓国は見たことがある程度だそうです。

 

申請が終わった後一枚の書類をもらえます。これはikametのカードが届く前に出国する必要がある時には最大2週間国外にいれるという書類ですのですぐにトルコ出国する予定があれば大事に保管しましょう。できればそういう予定は入れないほうがいいですが...

 

さて申請後1週間から十日ほどで住所証明にあった住所の最寄の郵便局止めでカードが届きます。そこに3日間ほどしか置かれないそうなので急いで取りに行く必要があります。特にコストはかかりません。

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 Etilerの郵便局。窓口でikamet取りに来たというと奥に行けと言われます。パスポート忘れないように。

f:id:asdfasfasd:20170221114012p:plainikametです。長かった。これが来るまでまさに開発途上国に島流し状態で出ることもできない。宇喜多秀家の気分?

 

さてようやく取ったikametなのですが2ヶ月トルコ国外にいるとキャンセルされると書いてあったところがありましたが友人によるとそんなことはないなどと未だにクリアーなところはないです。私が取得後国外に出た時はビザは切れてたのですがikametをパスポートと一緒に出すと特に問題はなかったです。(そりゃそうか)

 

さてさて長い文章読んでいただきありがとうございました。記入漏れはご自身の体験などありましたらコメントお書きください。

一番大事なこと2つは

  1. トルコ入国したら合法的滞在期間が切れる前に面接を申請する
  2. 合法的滞在期間が終わったら(トルコに戻ってくるつもりがあれば)面接日までトルコを出国しない

となります。

最後になりましたが僕のikamet取得に当たって本当に助かったのはElifという友人が助けてくれたからです。なんせわからないことばかり、そしてトルコという国は制度の朝令暮改が多いのでやはり外国人相手に商売してるプロに助けてもらうと安心です。彼女は5年間Leventで外国人の滞在及び労働許可を取り扱ってるのでこのブログを読んでYukiが勧めていたというと値引きしてくれるでしょう。

http://www.ekdanismanlik.com.tr

彼女最近保険も取り扱い始めたそうでかなり安いです!まさにすべてお任せできます。(さすがに面接は本人が行く必要ありますが。)

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オフィスでのElifちゃん

 

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僕より寿司を巻くのがうまかったElifちゃん...

メッセージは英語で書けばいいです。

 

それではあなたも楽しい?少なくとも嫌にならない程度のトルコ生活を!

日本の経済の低迷の原因は学校のいじめ

http://www.ohori.ed.jp/about/images/facility_big_46.jpg

 

先日私のツイッターのタイムラインにこう言うツイートが流れてきました。

 でこのツイートのどこに問題があるかというと

"思ったけど言えなかった"

と言う部分です。

 

私の経験では日本人は全般的に精神的に脆弱で簡単に気を揉んで傷つきます。そしてそれを他人に投影して物事に関して言うべきか言うべきでないか悩むことが多いです。

実際問題良い意見であれば圧倒的に言ったほうが良いのですが日本人は別に他人をおもばかってるから意見を言わないわけではないのです。嫌われるリスクを犯さないようにする単なる保身のためです。

 

これは由々しき問題です。社会の中には様々な問題があり個人的なレベルでも問題を認識しそれに対して真摯に解決策をあげ実行することによって我々の生産性や人生における満足度は上昇します。

結婚生活を考えてみてください。問題があったら対処するのと無視や我慢するのではどちらが生産的でしょうか?当事者たちはいいでしょうが無力な子供たちも大いに影響を受けるのです。そういう環境で育った子供たちは問題に対処する能力を育まないままです。(実は私の彼女がそういう感じなので未だに教育中です)

社会に対しても問題を解決するためには真摯対処することが必要ですが昨今の日本の低迷は問題に対して社会全体で対処してないからです。例えば旦那と仲が悪いことに真摯に対処しないから社会全体で少子化になるというようなことが考えられます。

 

こういった日本経済や社会そして個人の生活を毀損する日本人の精神的脆弱性や人間関係におけるリスク回避性はどこから来るのでしょうか?

遺伝子と言ってしまうと身も蓋もありませんし日本人という固有の遺伝子はないはずです。日本人は遺伝的には様々アジアのミックスということになってるはずです。ではなぜたくさんの日本人が前述のように育ってしまうのでしょうか。私はそれは学校にあると思います。

以下のリンクは政府による2015年におけるいじめの実態の調査です。

http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/27/10/__icsFiles/afieldfile/2015/11/06/1363297_01_1.pdf

児童生徒千人当たり13件のいじめが報告され、いじめがあった学校がなんと全学校の過半数を(56%)占めています。これは報告されたもののみですので深刻でないケースを入れるともっと多いでしょう。

要するに日本の学校はいじめが多すぎるのです。いじめは単なる同調圧力なのですが学校にいる児童生徒にとっては簡単に逃れるすべがありませんので日本における教育システム中で10年以上同調圧力にさらされ続けるケースが多々あると推測できます。そういう環境で成長するわけですので極端に他人に対して意見するのを恐れるように育つのは自然のことです。

いじめでは精神的肉体的な苦痛が伴いますので当然衝突のリスクを回避するようになり学校卒業後もそれが続くということに過ぎないのです。

 

ではどうすればいいかというと学校に子供を行かせないという選択肢は普通の家庭にはないのでいじめは学校内で処理しようとせず早急に警察などを介入させる、原因となる生徒を停学にするなどとして断固として許さないという態度及び行動を取ることが重要です。

今まではそれは児童生徒を守るために主張されてきましたが少子化を和らげ日本の経済効率を向上させるためにも必要なことだったのです。

なんのことはない、経済と国民生活を良くするためには教育が大事であるという普遍の真理のお話でした。

 

ちなみに私はアメリカ育ちなので日本の学校に関しては推測で書いているということを明記しておきます。

アメリカではそもそも引っ越しが多いので毎年生徒は結構入れ替わります。良い学校ではカウンセラーがいたりして問題を起こす児童はあっという間に居残りなどの罰を受け親が呼ばれます。

悪い学校には...絶対に子供を通わせてはいけません。命の危険があります。

ヒラリーが言及したアメリカの分断とは?

https://3.bp.blogspot.com/-XiY9eahno5s/WCO8km8qs5I/AAAAAAAAMZI/vP_E_fuv4p8hcW4wtyk9uw_aQc4E542RgCEw/s1600/Election%2B2016%2Bby%2BUS%2BCounties.PNG

 

ヒラリークリントンが敗北宣言でアメリカは我々が想像したより分断されていたと言いましたがそれがどういうことなのか解説したいと思います。(8:40)

 

youtu.be

 

基本的には政府やメディアの中で活躍するエリートたちの社会的サークルには貧乏な人も共和党支持者も軍人もいないのでうちわでパーティーやってる限りアメリカの大部分、そうでなくてもアメリカ社会の一定の人たちを理解することはできないしもっと悲しいことに理解しようとするエリートたちは本当に少数なのです。

今回の選挙ではエリートに反発したのは地方に住む白人底中所得者層ですがエリートは底中所得マイノリティの実情も理解していないでしょう。たまたまマイノリティはエリートたちの政策で得ることが多いので同意しただけです。

 

でこういう分断がどのように生まれるかですが私もアメリカ育ちなので経験をもとに解説できるかと思います。

 

アメリカのエリートたちは大体裕福な親のもとに生まれます。教育を重視する熱心な親たちはいい学校に子弟を送ろうとするのでその場合の選択肢は二つになります。

1. いい学校がある学区に家を買う、もしくは借りる。

2. 住んでいる地域にいい学校がなければ私立校、もしくはチャータースクールなどに通わせる。

1の場合アメリカの郊外は大体開発者が道を引き似たような家を建てて地区ごと分譲するような形になるので家の値段は大体一緒、(角地の方が2方向から見えるので若干安いなどの差異はありますが)従って住む人たちの経済力も似たようなものとなります。

借りるにしてもいい学区にある物件は高くなるので相当の経済力がなければ借りることはできません。

結局経済力がある親というのは大体教育もあり専門職についていて常識も自制心もあるので日々保険料やらカードの支払いに窮するような人たちではないです。

2の場合当然家は若干安くなるかもしれませんが私立校に通うには授業料などが相当必要です。そして私立校、チャータースクールなどに通うには当然学力も必要なので頭のいい親たちのそれまた頭のいい子供達が集まった学校に通うこととなります。当然近所の平均的な家庭とはそういうエリート達は疎遠となります。

 

私はアメリカの公立校に通ったのですがいい地域にあったので1のケースとなります。そしてそのいい学校内でもまたすごい選別があるのです。出来る生徒達はすでに中学校ぐらいから進むスピードが速いクラスに行くように促されます。一番顕著な差は数学で出ます。そのエリートコースはHonorsと呼ばれ、数学では高校1、2年で微分・積分をやるぐらいの感じです。他には希望者には計算機科学、ラテン語(何故ラテン語?)、南米文学など出来る子を飽きさせないようなコースが用意されています。それらのコースを教える教師は揃って大学院を出たりした高学歴の教師が用意されます。私の南米文学の教師はハーバード卒でした。これはアメリカではすごいことです。というのもアメリカでは残念ながら教師はあまり社会的地位も給与も高くなくエリートはあまりやりたがらないのです。しかしこういった教師たちには相応の給与が用意されてます。

Honorsの他にもA.P.(Advanced Placement)と言う年度末にテストがあるエリートコースもあってテストに受かると大体大学によりますが単位をもらえて大学でさらに高度な勉強をできるということになります。

ここが一番大事なのですが何故生徒がHonorsやA.P.を取りたいかというとぶっちゃけそういうコースがあるところで取っていないといい大学に入れないからです。いい大学は用意された環境でできるだけ頑張ったということをすごく評価します。エリートになるのであれば選別されたコースでひいこら言わないとダメなのです。

それでは地方のしょぼい学校で適当に頑張ればいいのではないかという見方もありますし実際そういう人もいます。しかしそういう人でもSATと言われる全国統一テストで高得点を取ることが必要となります。SATははっきり言って簡単なテストです。ただ分量が多いので1問を早く解くことが必要となります。で結局練習量がものをいいます。

良い学校では周りにSATをとる生徒も多くSAT対策用の放課後のクラスなども用意されてるので結局しょぼい学校の生徒はSATで比較的見劣りする点数となります。そうすると課外活動やしょぼい学校の先生の推薦分などと含めて大学側はあまり入学を許可しようとはしないのです。

大体アメリカのしょぼい学校というのはしょぼいだけではなく危険なのです。ですからそのような環境下で勉強でき普通の成績を取れることだけですごいことなのですが大学の入学担当官はこれもまたエリートですのでそういうことを理解していません。彼らが思ってるのは親の経済力がなくても頭が良く頑張れば我々が欲する点数は取れるはずだと思っているのです。日々カツアゲされないため、怪我しないためにこの時限のあとはこの廊下を避けるべきだとか考えてるような生徒が彼らの欲する点数に達するのは至難の技です。

 

またニューヨークなどの大都市では中学校の時に全市でテストを受けられさせ成績がいいのはMagnet Schoolいう公立の選別された高校に通うこととなります。選別された人たちはそこで多感な時期を他の選別された学力が高い子たちと過ごすことによってエリートグループの仲間入りをし、Honors,A.P.コースの後に課外活動をやって自習して帰ってくるのは10時過ぎみたいな日本のブラック企業も真っ青の高校生活を送ります。

ニューヨークですと有名なのはHunter CollegeやStuyvesantというマグネットスクールがあってそれらの学校から毎年10−20人単位でハーバード、イェール、スタンフォードなどの超エリート校へ卒業生が旅立っていきます。

 

超エリート校は全世界から学生が集まっているので当然ながら高校よりは多様性があるのですが大体において世界各国からの頭のいい裕福なエリートもしくはむちゃくちゃ頭のいい中産階級の子弟しかいません。卒業後もこれだけ若いうちに頑張った人たちはいい奴隷となるのでこぞってコンサルティングや投資銀行が雇いに来ます。聞いたところではスタンフォード最終学年では7割がMcKinseyに応募するそうです。まさに洗脳ここに極まれりです。もしくはヒラリーとビルのように法学校、もしくは医学校というのもよくあるパターンです。こういった場所で学生たちは世界中の人たちはみんな分かり合えるという理想主義および偏った世界観を育みます。

 

シリコンバレーも世界中から人が集まって多様だ多様だと言われますが結局世界中から集まったエリートのエンジニアで多様性はさっぱりです。大体シリコンバレーの家賃は高すぎるので高度専門職以外の住民たちは住めないので引っ越す羽目になります。シリコンバレーの民族ごとの固まり具合は本当にひどくて台湾人のグループと中国本土のグループは大体一緒に遊んだりはしません。で彼らは大体白人というくくりで白人を見ています。白人の中にも色々なグループはあるのですが。

 

というわけでアメリカのメディアや政治での体制側ではどういう人が働いてるかというと前述のエリートの中のエリートで彼らは互いに交流しデートし結婚し話す中には自分と似たような人たちばかり、周りに大学院すら出てない人はいない、仕事なんていつでも見つかるような人たちばかりなのです。

 

私個人は彼らと同じくエリートなのですが過去にシングルマザーのユダヤ人やイスラム教徒と付き合ったりして世界観をなるべく広げようと努力してきました。私のいい友達でカリブ海出身のユダヤ人の子がいるのですが(ヒスパニックとユダヤ人という二重のマイノリティ)彼女の生まれ育った島は人口一万五千人ほどで当然エリートは少なく彼女自身は頭がいいのですがアメリカに住みながら国内の他の文化を知ろうとしないエリートたちに不信感を持っています。

 

こういった分断はソーシャルメディアによって強化された面もあります。Facebookなどではいいねやコメントした回数によって個人個人の嗜好を理解しフィードにその人が読むであろうニュースを優先的に表示します。ですから分断はますます強化されます

 

しかしTinderなどの出会い系アプリは自分のバックグラウンドと違う人たちを(性的に)繋がらせるということにおいてこの分断をある程度癒す効果があると思われるので今後に期待です。私も大学を出てないスペイン人とか(英語すらできない)市職員のインド人など知り合いにはいないタイプの人たちと近しくなることができました。

 

ヒラリーはまさに弁護士出身、夫も弁護士及び大統領、娘もコンサルティングとエリートの権化みたいな人なので(その点オバマは有能でしたが黒人という虐げられたグループ出身)非エリートが反発したのも無理ないことです。(当然トランプもエリートですが)

アメリカのエリートはうちわでワインを飲んで歓談するのではなく例えば農場で働くなどして世界を広げるべきでしょう。

トランプの勝利はアメリカのリベラルの勝利

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ご存知の通りアメリカでの大統領選挙でドナルドトランプ氏が勝利しました。

 

いきなり横道に逸れますが、私は現在トルコ在住ですがアメリカ市民ですので当事者です。ちなみにアメリカ市民は州によって細かい違いがありますが郵便での在外投票ができます。一般的には最後に住んでいた州での投票となりますので私の場合はニューヨーク州でした。

アメリカ人の中には自分の票をいわゆるスウィングステートで投票するために選挙登録を親戚が住んでいるフロリダやオハイオ州などにし国内の民主党が勝つ確実な州から郵送で投票するという人もかなりいます。

 

私は今回はヒラリーを応援しておりましたが予想に反して彼女が敗退しFacebookのフィードは友人たちの嘆きで埋め尽くされております。私の社会的サークルにおける民主党対共和党の支持者の率は20:1ぐらいでしょうか。バーニーサンダースもたいそう人気でした。

 

さてこれでこの世の終わりだカナダに移住するなどと言っている友人たちもおりますが私はそれほどトランプ大統領を危惧しておりません。

というのも共和党の候補者の中ではトランプは圧倒的にまともだからです。二大政党のうち比較的リベラルでない方が今回勝ったのですが従来の共和党主流派よりリベラルな候補が勝ちました。アメリカでの社会政策におけるリベラルさの最低ラインがずいぶん前進したと捉えたいと思います。

 

近年共和党は本当に無茶苦茶なことしか言ってなくてとてもではないですが教育を受け酒場でフットボールを見る以外に娯楽がある人たちには支持できない政党になっていたのです。

 

トランプもメキシコ国境に壁を作りメキシコに建設費を出させるとかイスラム教徒の入国禁止、他国に核兵器武装させるなど無茶苦茶言ってましたが彼の政策は比較的まともなのです。

 

1. 進化論

信じがたいことですが共和党のTed Cruz, Marco Rubioなどは進化論否定論者で学校で進化論を教えるべきではないと主張しています。こんなアホな主張は当然アメリカでキリスト教原理主義者しか賛同しません。トランプはそんなアホなことは言ってません。今回の選挙でトランプが当選したことによりこの論争には決着がつきました。

 

2. 銃規制

トランプはNRAを賛美していましたがテロリストのリストに名前がある人には銃を売らないようにする、銃を購入するときには犯罪歴を調べて待機期間をちょっと長くするなどの主張をしていました。

これは信じがたいことですが共和党の他の面々よりよっぽどまともです。彼らはどんな銃規制も反対だったのです。言うなればお菓子を買うようにガンショーで銃を誰でも即日買えてしかもテロリストにもバンバン銃を売ろうという考えです。当然アメリカでは銃保持派でもこんなことには賛成していません。実は銃を持っている人たちも犯罪歴チェックなどの民主党が主張する規制には賛成なのです。ところが今までNRAがすべての銃オーナーの代弁をしているように主張するのに辟易していました。

おそらく共和党の面々は兵器産業からたくさんの献金を受けているからではないかとアメリカ国民は疑ってました。彼らの中央に対する猜疑の目をまさに我々は知るべきです。

ちなみにトランプが所有するゴルフコースでは銃の持ち込みを禁止していたそうです。

 

3. 保険制度

トランプはObamaCareを無効にすると言ってますが既往症のせいで保険が買えないのは良くなかったからそれが違法になったのはいい変化なので残すと言ってます。他の共和党候補はそういうことはさっぱり言ってません。既往症がある人たちはのたれじぬべきという感じです。

アメリカでは2014年にObamaCareが始まりましたがそれまで無保険期間が60日以上ある人たちは既往症により新しい保険を買うときに保険会社が拒否できるという条項がありましてお金があっても保険を変えないという人が多かったのです。ちなみに既往症は保険会社が勝手に設定できるので既往症がある人はアメリカ人の半分にも上がっていました。

アメリカでは低所得者は無料の公的保険があるのですが中所得者以上はObamaCareで保険が買えるようになりました。ただ実際高いのも事実で月に一番安くて300ドル余りします。これは低い方の中所得者にはなかなか家族分買うのは難しいのです。

トランプはObamaCareを無効にすることによって新たに無保険者になってしまう1400万人以上の人たちにはどうするかわからないのですが何か用意しなければいけないと言ってます。彼は実は以前カナダの国民皆保険を賞賛していたこともあるので国民には健康保険が必要であるという考えのようです。この態度は今までの共和党の候補には見られないものです。

 

4. LGBT問題

共和党ではtransgenderであろうが生まれた時の性別のトイレを使うべきという主張が主流なのです。はっきり言ってこんな問題はアメリカ国民の大部分にはどうでもいい話で逆に女に見える性転換した人が男性トイレにいたらびっくりして最悪の場合レイプにつながるかもしれないので自分が認識してる性のトイレを使ってくれという意見です。

トランプはこの問題に関してはトランプホテルでは自分が認識してる性のトイレを使うようにというポリシーにしてます。

 

以上主張していた政策だけでも従来の共和党主流派よりよっぽどリベラルなのですが彼のバックグラウンドを見ても今までの共和党候補よりずっと期待できます。

彼の女性に対する言動が一時期問題視されましたが彼の娘は名門ペンシルバニア大学ワートン経営大学院を出ており当然仕事もしておりトランプはことあるごとに自慢の娘と言っております。彼の現在の妻にしてもスロバキア出身のモデルでありおそらく売れない頃にはビザなしでニューヨークで不法就労をしていたと思われます。ですから家族だけを見ても女は家にいるべきで中絶も違法にする(と主張はしてますが)ということを実行するような大統領になるとは見えないのです。

移民問題にしても奥さんからして英語も上手くない移民ですし国外で生まれた人口が半数を占めるニューヨーク生まれで長年そこでビジネスをしてますし移民がどれだけアメリカに貢献したかを身を以て知っています。

 

今回の選挙で初めて彼を知った方も日本では多いかと思いますがアメリカでは彼は大人気のリアリティーショーであるThe Apprenticeのホストをしていました。この番組は10年ぐらいは続いたはずです。形式は毎シーズン12名ぐらいの様々なバックグラウンドの人たちが集まって2つのチームになって毎週トランプから与えられた課題を乗り越えながら負けたチームは一人その週何があったかをもとにトランプがクビにし、最後に残った人はトランプの会社にサラリー25万ドルで一年間雇われるというものでした。

課題も何かブランドのコンセプトを表現する広告キャンペーンを作るとかたくさんウェディングドレスを売るとか面白いものばかりでした。

集まった人たちは大体若いのですが人種も宗教も様々で女性もいれば教育がある人もたたき上げの人もいたりと興味深かったですがトランプは私が見た中では一度たりとも人種や性別や性的指向に基づいた差別をしたことがなかったです。今回の選挙で彼は反ユダヤであると言われてましたがThe Apprenticeの中ではユダヤ教の祭日であるとの理由で課題に参加しなかったチームメンバーをクビにしなかったり普通に異なるバックグラウンドに配慮していた感じを受けます。

彼は選挙期間中にはメキシコ人やイスラム教徒への憎悪を煽るような発言をしていましたが選挙前は人種差別者であるという感じは受けませんでしたので単に票を集めるためだったのではないでしょうか。

 

したのCBSの記事によるとアメリカ人の7割は不法移民でも合法滞在への道は開かれてるべきであると思っているとのことですしグローバリゼーションが職を作るか奪うかへの意見は拮抗しています。当然トランプは会社経営において世界貿易の恩恵を多分に受けていますのでその効力は知っているでしょう。

http://www.cbsnews.com/news/cbs-news-exit-polls-how-donald-trump-won-the-us-presidency/

 

昔私は2代目ブッシュの再選の時に民主党のテキサス州知事が出たら大統領になるのは簡単だろうと友達と話したことがあるのですがトランプはまさにリベラルなニューヨーク出身の共和党では一番バランス感覚に優れた政治家(ともう呼んでいいですね)ではないかと有権者は期待したのです。

彼の政権運営にはいろいろ難題はありますが長い長い時間のあとようやくまともな共和党候補者が出てきました。でここが大事なことなのですが私のロングアイランドに住む中華系やヒスパニック系の若い友達にもトランプ支持者はいます。彼らはトランプは実質民主党でも共和党でもない第三勢力だからこそ両党を交渉のテーブルにつかせ妥協させることができると言っています。まだ未知数ですが彼がそうできれば本当にいいことです。

彼は勝利宣言で心情や党派にこだわらずに国民一丸となって前進しようと政策には一つも言及することなく国際関係においても常に他国をフェアに取り扱って協調しようと呼びかけたので選挙戦中に主張したことをおそらく何のためらいもなく反故にするでしょう。しかしそれはアメリカ国民も望んでいることであり(共和党の指名を得るには偏った主張をしないといけないため)彼のバランス感覚に期待して今後を見守りたいと思います。

 

トルコクーデターについて

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私はイスタンブールに住んでいるのですが金曜の夜は非常にうるさかったのですが土曜日日曜日は概ね平静です。

土曜日は店がほとんど開いてませんでした。10〜20%というとこでしょうか。写真は閑散としたモールです。土曜日の晩です。

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タクシーも乗り合いバスも都市バスも走っていましたので少なくとも公共交通が全滅ということはないです。

 

今日はちなみにクーデター犠牲者の葬式があるそうで僕の彼女は行くそうです。私はジムに行きます。

 

トルコではエルドアンはポピュラーですが彼を嫌ってる人も多いです。しかし彼らにせよ今回のクーデターは支持していない模様です。

 

とにかく誰が黒幕だったのか誰が参加したのかギュレンの関与はあったのかに関して全く情報がないので未だ全体像は明瞭ではないです。

 

Blogosなどではトルコ国内の不安定さが出た、エルドアンはこれから難しい政権運営を迫られるという論調が出ていますが今の所トルコで支配的な見方はこのクーデターはエルドアンにとってはすごくいいことでこれを口実にして気に入らない判事2000人以上を罷免した、将来的にエルドアンはますます磐石になるということです。

トルコ国民の半分弱はエルドアン支持ではないのでもうこれ以上選挙法や憲法が変わるとエルドアンが終身大統領になってしまうと危惧しています。