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(今のところは)トルコ生活

トルコ在住プログラマーです。頭脳はよく,心も傷つくことがありません。

ヒラリーが言及したアメリカの分断とは?

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ヒラリークリントンが敗北宣言でアメリカは我々が想像したより分断されていたと言いましたがそれがどういうことなのか解説したいと思います。(8:40)

 

youtu.be

 

基本的には政府やメディアの中で活躍するエリートたちの社会的サークルには貧乏な人も共和党支持者も軍人もいないのでうちわでパーティーやってる限りアメリカの大部分、そうでなくてもアメリカ社会の一定の人たちを理解することはできないしもっと悲しいことに理解しようとするエリートたちは本当に少数なのです。

今回の選挙ではエリートに反発したのは地方に住む白人底中所得者層ですがエリートは底中所得マイノリティの実情も理解していないでしょう。たまたまマイノリティはエリートたちの政策で得ることが多いので同意しただけです。

 

でこういう分断がどのように生まれるかですが私もアメリカ育ちなので経験をもとに解説できるかと思います。

 

アメリカのエリートたちは大体裕福な親のもとに生まれます。教育を重視する熱心な親たちはいい学校に子弟を送ろうとするのでその場合の選択肢は二つになります。

1. いい学校がある学区に家を買う、もしくは借りる。

2. 住んでいる地域にいい学校がなければ私立校、もしくはチャータースクールなどに通わせる。

1の場合アメリカの郊外は大体開発者が道を引き似たような家を建てて地区ごと分譲するような形になるので家の値段は大体一緒、(角地の方が2方向から見えるので若干安いなどの差異はありますが)従って住む人たちの経済力も似たようなものとなります。

借りるにしてもいい学区にある物件は高くなるので相当の経済力がなければ借りることはできません。

結局経済力がある親というのは大体教育もあり専門職についていて常識も自制心もあるので日々保険料やらカードの支払いに窮するような人たちではないです。

2の場合当然家は若干安くなるかもしれませんが私立校に通うには授業料などが相当必要です。そして私立校、チャータースクールなどに通うには当然学力も必要なので頭のいい親たちのそれまた頭のいい子供達が集まった学校に通うこととなります。当然近所の平均的な家庭とはそういうエリート達は疎遠となります。

 

私はアメリカの公立校に通ったのですがいい地域にあったので1のケースとなります。そしてそのいい学校内でもまたすごい選別があるのです。出来る生徒達はすでに中学校ぐらいから進むスピードが速いクラスに行くように促されます。一番顕著な差は数学で出ます。そのエリートコースはHonorsと呼ばれ、数学では高校1、2年で微分・積分をやるぐらいの感じです。他には希望者には計算機科学、ラテン語(何故ラテン語?)、南米文学など出来る子を飽きさせないようなコースが用意されています。それらのコースを教える教師は揃って大学院を出たりした高学歴の教師が用意されます。私の南米文学の教師はハーバード卒でした。これはアメリカではすごいことです。というのもアメリカでは残念ながら教師はあまり社会的地位も給与も高くなくエリートはあまりやりたがらないのです。しかしこういった教師たちには相応の給与が用意されてます。

Honorsの他にもA.P.(Advanced Placement)と言う年度末にテストがあるエリートコースもあってテストに受かると大体大学によりますが単位をもらえて大学でさらに高度な勉強をできるということになります。

ここが一番大事なのですが何故生徒がHonorsやA.P.を取りたいかというとぶっちゃけそういうコースがあるところで取っていないといい大学に入れないからです。いい大学は用意された環境でできるだけ頑張ったということをすごく評価します。エリートになるのであれば選別されたコースでひいこら言わないとダメなのです。

それでは地方のしょぼい学校で適当に頑張ればいいのではないかという見方もありますし実際そういう人もいます。しかしそういう人でもSATと言われる全国統一テストで高得点を取ることが必要となります。SATははっきり言って簡単なテストです。ただ分量が多いので1問を早く解くことが必要となります。で結局練習量がものをいいます。

良い学校では周りにSATをとる生徒も多くSAT対策用の放課後のクラスなども用意されてるので結局しょぼい学校の生徒はSATで比較的見劣りする点数となります。そうすると課外活動やしょぼい学校の先生の推薦分などと含めて大学側はあまり入学を許可しようとはしないのです。

大体アメリカのしょぼい学校というのはしょぼいだけではなく危険なのです。ですからそのような環境下で勉強でき普通の成績を取れることだけですごいことなのですが大学の入学担当官はこれもまたエリートですのでそういうことを理解していません。彼らが思ってるのは親の経済力がなくても頭が良く頑張れば我々が欲する点数は取れるはずだと思っているのです。日々カツアゲされないため、怪我しないためにこの時限のあとはこの廊下を避けるべきだとか考えてるような生徒が彼らの欲する点数に達するのは至難の技です。

 

またニューヨークなどの大都市では中学校の時に全市でテストを受けられさせ成績がいいのはMagnet Schoolいう公立の選別された高校に通うこととなります。選別された人たちはそこで多感な時期を他の選別された学力が高い子たちと過ごすことによってエリートグループの仲間入りをし、Honors,A.P.コースの後に課外活動をやって自習して帰ってくるのは10時過ぎみたいな日本のブラック企業も真っ青の高校生活を送ります。

ニューヨークですと有名なのはHunter CollegeやStuyvesantというマグネットスクールがあってそれらの学校から毎年10−20人単位でハーバード、イェール、スタンフォードなどの超エリート校へ卒業生が旅立っていきます。

 

超エリート校は全世界から学生が集まっているので当然ながら高校よりは多様性があるのですが大体において世界各国からの頭のいい裕福なエリートもしくはむちゃくちゃ頭のいい中産階級の子弟しかいません。卒業後もこれだけ若いうちに頑張った人たちはいい奴隷となるのでこぞってコンサルティングや投資銀行が雇いに来ます。聞いたところではスタンフォード最終学年では7割がMcKinseyに応募するそうです。まさに洗脳ここに極まれりです。もしくはヒラリーとビルのように法学校、もしくは医学校というのもよくあるパターンです。こういった場所で学生たちは世界中の人たちはみんな分かり合えるという理想主義および偏った世界観を育みます。

 

シリコンバレーも世界中から人が集まって多様だ多様だと言われますが結局世界中から集まったエリートのエンジニアで多様性はさっぱりです。大体シリコンバレーの家賃は高すぎるので高度専門職以外の住民たちは住めないので引っ越す羽目になります。シリコンバレーの民族ごとの固まり具合は本当にひどくて台湾人のグループと中国本土のグループは大体一緒に遊んだりはしません。で彼らは大体白人というくくりで白人を見ています。白人の中にも色々なグループはあるのですが。

 

というわけでアメリカのメディアや政治での体制側ではどういう人が働いてるかというと前述のエリートの中のエリートで彼らは互いに交流しデートし結婚し話す中には自分と似たような人たちばかり、周りに大学院すら出てない人はいない、仕事なんていつでも見つかるような人たちばかりなのです。

 

私個人は彼らと同じくエリートなのですが過去にシングルマザーのユダヤ人やイスラム教徒と付き合ったりして世界観をなるべく広げようと努力してきました。私のいい友達でカリブ海出身のユダヤ人の子がいるのですが(ヒスパニックとユダヤ人という二重のマイノリティ)彼女の生まれ育った島は人口一万五千人ほどで当然エリートは少なく彼女自身は頭がいいのですがアメリカに住みながら国内の他の文化を知ろうとしないエリートたちに不信感を持っています。

 

こういった分断はソーシャルメディアによって強化された面もあります。Facebookなどではいいねやコメントした回数によって個人個人の嗜好を理解しフィードにその人が読むであろうニュースを優先的に表示します。ですから分断はますます強化されます

 

しかしTinderなどの出会い系アプリは自分のバックグラウンドと違う人たちを(性的に)繋がらせるということにおいてこの分断をある程度癒す効果があると思われるので今後に期待です。私も大学を出てないスペイン人とか(英語すらできない)市職員のインド人など知り合いにはいないタイプの人たちと近しくなることができました。

 

ヒラリーはまさに弁護士出身、夫も弁護士及び大統領、娘もコンサルティングとエリートの権化みたいな人なので(その点オバマは有能でしたが黒人という虐げられたグループ出身)非エリートが反発したのも無理ないことです。(当然トランプもエリートですが)

アメリカのエリートはうちわでワインを飲んで歓談するのではなく例えば農場で働くなどして世界を広げるべきでしょう。